はじめに

　DAT-Pは、主に視覚障害者の理療教育(あんまマッサージ、はり灸の職業教育)に役立つ情報を提供することを目的に、管理人杉本が個人で立ち上げたプロジェクトです。現在、2名のスタッフと、多くの協力者の助力により、βテストを進めております。
　視覚障害者の教育施設で使われる理療の教科書は更新が遅く、活字も点字もそろってはいますが古い情報が多く、昨今のように一般の方でも簡単に医学的な情報を手に入れられる時代に追いついていけるものではありません。また、それとは別に、点字も墨字(一般の印刷物、いわゆる活字)も使用できない中途失明の生徒が増加している現状では、パソコンのデータや録音物などの新しい方法で教材を提供する必要が生じてきます。
　そこで、私は印刷物をパソコンのデータにすることで教材を配布できないかと考えてきました。しかし、ここで大きな壁にぶつかってしまったのです。それは「著作権法」という法律です。この法律は著作者の権利が侵害されないように守ってくれる大切な法律なのですが、利用者の利便性よりも権利者の利益が優先される傾向にあります。視覚障害者のための録音物は、指定機関であればある程度自由に作成できますが、たとえ福祉目的でも、一般の人間が録音物を作ると違法です。またパソコンで利用できるデータにすることは、いかなる目的でも著作権者の許諾なしには行えません。
　私は最終的に、「複製するのがダメなら作ってしまえ」という答えに行き当たりました。学問で事実として発表されたことは、文献の丸写しでないかぎり著作権法には抵触しません。ということで、ゼロから理療教育の教材を作ることを考えついたのです。
　現在、医学の分野においても情報化の波により、日々新しいデータが更新されています。しかし視覚障害を持つ者の場合、医学雑誌などの活字の情報源では、点字や拡大文字では提供されていませんから、どうしても最新の情報をいち早くというわけにはいかなくなります。理療教育に携わる教員の側が、生徒が使える形で教材を提供していくことが重要と考えています。
　このサイトが、あんまマッサージ指圧、鍼灸を学習する皆さんの手助けに少しでもなるのであれば、それは私にとってもこの上ない喜びです。多くの方々に使いやすいサイトを目指していきますので、ご意見･ご感想などありましたら遠慮なくお寄せ下さい。
　文末になりましたが、このプロジェクトにご協力いただいているすべての方々に、深く感謝いたします。ありがとうございます。

2006/04/01 Webmaster:Kimihiko　Sugimoto